
「わっか」のインフォメーションセンターは牧草ワラをサンドイッチした優しい印象の漆喰壁。何と!オーナーの手作りだという。
動力船をも操るガイド、ミナモ氏にくっついて屈斜路湖へ行って来た。
釣果は?もちろん「!」である。
釣果は「?」でも「!」でもいいのだ。リフレッシュなのである。
湖上で一日遊んだ後寝袋持参で押しかけた屈斜路湖ガイドステーション「わっか」。今年NZランドへご一緒したキナセ氏がオーナーのこの会社はすぐ横を流れる釧路川を中心に夏はカヌー、冬はスノートレックをメインに据えた遊びをサポートしてくれる。その夜はハイシーズンで忙しいのに夜更かしさせてしまってゴメンナサイなのです。
翌日は遅いスタートで釧路川の支流で竿を出す。「職場」である十勝外の川でロッドを振ることの心地良さを堪能しその後弟子屈町の「ゆうあん」へ。
オーナーのムラカミ氏は別名「鹿道ガイド」。
この「ゆうあん」道東近辺の川情報に精通し釣りを始めとしたアウトドアーガイドと同時に上質な宿と食事をも提供してくれるゲストハウスだ。
文字通り<観て>廻るだけであった一大観光地の阿寒、摩周ゾーンに「ここでこんな事をやってみたい」と小さな種を蒔き続けた彼らの想いが今大きく根を張ってきたようです。

朝一で札幌のゲストお二方とお目当ての川へ。その川のコンディションが良いという情報は掴めている。まずは橋の上から確認だ。
「ゲッ!」水が無い!ゴロタ石の河原を連続した良い感じのプールを連結していた流れが干上がっている。それぞれのプールはチョロチョロの流れで辛うじて体裁を保っているが殆んど水の動きは無い。
戻れない状況で降りたプールに小さいがライズがある。しかしIさんのテレストリアルフライに出たのはグッドプロポーションのレインボー。選択肢があれば恐らく竿すら出さなかったかもしれない水量の下その後も澄んだ水の小さいプールごとから尺オーバーを含めたレインボーが連続してフライに反応し充分楽しめた。
渇水で危機感を感じた鱒たちの生存本能が120%働いた?
棲息スペースの容量が少なくなった分少ない動きで効率よく餌を取れるから活性が上がった?
この干上がり具合では竿を出す釣り人は殆んどいないから?
ほんとのところ良く判りません。
でも、だから釣りって難しくまた面白いんでしょうね。

芦澤さんの著書であるフライ釣り師のバイブル「フライフィッシング全書」で目にして以来機会があればと思っていたリチャードソンのフライボックスがひょんなことから手に入った。
軽くて丈夫、高機能新素材のハイテック・デザインのフライボックスが溢れる現代に今更こんな、とも思うのですが過去に刷り込まれたこの無骨な風情を持ったフライボックスが記憶の隅から消える事はなかったようです。
フライ釣りはバンブーロッドにシルクラインを通して不便さ?をも楽しんでしまおうと云うプリミティブな指向も存在する釣りですからと、言い訳してみたものの、このフライボックスを埋め尽くすフライをこれからせっせと巻けるかどうか目下のところチョット心配です。

写真を撮ろうとしたら「ヌルリ!」と逃げられた。
40年程前にキャンプで訪れた上流部の鱒たちは今よりも確実に<おっとり>していた。
なぜなら手づかみで捕らえられたから、ウソではありません。
まず、一抱えほどの石に後ろからソ〜ッと近づき上からソロソロと手を石に這わして下げていく。
そしてヌメッとした感触を指先に感じたら(不思議とこのとき逃げないのだ?)そしてここが大事!視界をふさぐように頭を包み込み同時にもう一方の手で胴体をしっかり押さえ込む。
その驚くべきワザを披露した先輩によると「魚は後ろに泳げんベ!」ということなのだがボクは一日ではそのワザは会得出来なかった。しかしヌメッとした感触は今も忘れない。
ちなみに塩焼きにされて食べ盛りの悪ガキ達の腹におさまったその鱒の正体はその頃のボクには皆目判りません。
十勝の川は<良くも悪くも>今では国策によって放された生命力の強いレインボーの川、アメマス、オショロコマは肩身の狭い想いで生きている。
そして時々手にするイワナ属のヌメッとしてプヨプヨした感蝕は一瞬悪ガキ仲間のキャンプの夏を思い出す。

ドライフライを巻き終えるたびに毎度のことながら「よし、今度はパーフェクト!」と、一人ニヤつく。イメージではもうスーパーレインボーは釣れたも同然なのだ。
しかしいざ現場では使い物にならないフライのなんと多いこと。
昨日の釣行でも以前に巻いた名鈎「エルクヘアー・カディス」はことごとく沈んだ。人生最初に巻いて以来数え切れないほど巻いたフライ、エルクヘアーカディス。久しぶりに基本に忠実に、やや厚めにドレッシングを心掛けたカディスを巻こうと思った。
ふと!傍らのヘアースタッカーを改めて見ると真鍮製のそれは使いこなれてイイ感じの色合いになっているではありませんか!
こういう「寂び」はいいけどタイイングの技術の「錆び」はやっぱりイケマセン。

苦行のウエットから開放?され「水を得た・・」ごとくドライ釣りを楽しむNさん。
フライ釣り師には明解にドライフライ派とウエットフライ派がいるようです。
ウエット師曰く、「水中のフライの動きをイメージしながら突然来るアタリへの期待と緊張感が最高だね!」。
あるいはドライ師は「ナチュラルにフライを流す事のみに徹底的に腐心しバシャッ!と出るあの醍醐味が一番だよ!」。
中には「大物を出すにはドライより絶対ウエットに分がある!」とか「ウエット?あれはフライフィッシングではないでしょう!」と過激に言い切る人もいるほどで真剣勝負に立ち会う機会があればその物騒な空気に思わずワクワク?してしまいそうだ。
一つはっきり云えるのはドライ釣りの持つ明るく陽気な雰囲気。
特にギャラリーがいると「出た〜!」、「お見事!」、「ウワ〜!」、「残念」、口の悪いギャラリーの場合はさらに「遅〜い!」あるいは「ヘタくそ〜」まで云いかねない。
<求道的でストイック?>な印象さえもあるウエットに対しあくまでもドライは<エンターテインメント>な感じがするのはボクだけかな〜?
ちなみにノンポリお気楽フライ師の私はどっちも楽しんじゃいます。

マクラーレン・ガダバウトチェア <水彩>
人生二度目のギックリ腰から三日目、復旧しつつある。
突然襲う痛みにはなす術もなく受け入れるよりしょうがないが、動けば<来る>と判っている激痛にはからっきし情けなく、横たわるのに2〜3分、起き上がるにいたっては5〜6分もかかる。
さしずめボクは拷問にでも会う機会があればすぐにゲロするタイプだと断言しとく。
一度目の腰痛は約10年ほど前、直接のきっかけは重いものを持ったせいだが今回同様直前に長時間運転席に固まっていたことが共通しておりあながち偶然とは思えない。
常々漠然と国産乗用車タイプのドライヴィングシートは欧州車に比べて何処がどうとは云えないが腰への負担に差があると思っているのはボクだけでしょうか?永〜い椅子文化とタタミ文化の歴史の差はまだまだあるはずだ。
次回があるなら?今度は欧州車だ!なんてネ。

Kさんが<40年来の付き合い>のスベアでコーヒーを淹れてくれた。冷えた身体にそれはそれは美味しかった。
帰りの車中でKさんがポツリと云った「三年前に釣友を亡くして以来釣りのテンションが下がってネ〜」「その友人の代わりに今日は毛鉤を放ったんだ」ボクは返す言葉を失う。
知人のUさんも「この川へはアイツのロッドを持ってきて代わりに釣りをするのさ」と、云っていた。
今日まで、釣りを知り新たな友人がたくさん出来た。そして大笑いしたり、競い合ったり、茶化したり、時には他愛のないことに腹を立てたりと価値観が同じ物同士の<楽しいことだけ>の付き合いだった、今までは。
でもこれからはそうもいかないのだ、ボクもボチボチ釣りと人生がリンクしだす年になってきた・・・。

猫の手も借りて釣りに行きたい
慌てたせいで間違って動画で撮影していた画像を削除しようとしてコンパクト・デジカメのデーターを全部消去してしまった。えらいこっちゃ!せっかくの画像が消えてしまった。それより何より「このカードは使えません」と、きた。
フォーマットの初期化を試みるがなにせアナログおじさん「よーわからん?」とりあえず今日のお仕事は四世代ほど前のデジカメを持っていこう。
帰りに家電店に立ち寄った。容量の多いメモリーカードは5〜6千円もするだろうな〜、だったらこの機会に完全防水に買い替えようかな〜と、ドキドキしながらも心のどこかでウキウキもしている??
しかし、このオジサンが小一時間も悪戦苦闘していたカードの初期化をお店のオネエサンはピッ・ピッ・ピッと、3秒ほどでやってのけた。
時間をもてあましたオジサンは一通り陳列された新機種を眺め、なにか<複雑な>思いで帰ってきました。

京都からお越しのKさん
川の調子がようやく上向きになってきた。大雪により長引くユキシロ、それが収まりかけた頃の長雨、知ってる範囲ではこんなことは初めてだ。
京都のKさんはそんな悪条件の6月そうそう十勝入りした。初日に情報を仕入れに立ち寄ったショップで「今は最悪だよ」と、云われたそうである。
そんな中で入ったある川ではいるべきところには全く気配がない。絶望的な空気が漂い始めた瞬間半沈みのドライフライに水面下でギラッと反応した鱒に反射的にロッドを立てたKさん、見事にこれをフックアップした。
思わず顔が緩むKさん、でも当のKさんよりガイドの方が嬉しいと言い切れる!こんな状況で「よく出してくれたね〜」とこちらが感謝なのである。






